モール型ECサイトではじめて広告を使う人が知っておきたい3つのルール

2015.2.13

d1f7b72244ac11a859d6c3eeaf6a98e1_sモール型ECサイトで運営を行っている場合、どうしても避けて通れない道が広告です。しかしながらいまいち仕組みがよくわからずに使ってしまってはいませんか。売上が下がるから広告を打ちたくなる、売上が上がるとその売上を維持するために広告をやめられない。そういった悩みに一度は必ずぶつかったことがあるはずです。今回は、どういう広告がどのような効果がるのか。いつ広告を使うべきなのか、広告に頼らない道は、などをご紹介していきます。

広告を知って広告を上手く活用することで売上を上げていきましょう

広告の仕組みを知る

広告が表示される場所

楽天でECサイトを運営する場合、楽天ECコンサルさんから広告買いませんか?という案内が来たりしませんか。一般的にRMSにログインして購入する広告は、キーワード広告かCPC広告(クリック分課金される広告)になっているはずです。EC担当が勧めてくる広告は、お買い物マラソンやスーパーセールなどでのイベントでの露出を図る広告です。どちらが効果がいいかというのは難しいところですが、キーワード広告やCPC広告は下の図のように表示されます。

楽天広告表示箇所説明

今回は試しに「スマートフォン」というキーワードで検索を行いました。この時上位から並ぶ順番があります。

  1. キーワード完全一致
  2. キーワード部分一致
  3. CPC広告

実にオーソドックスなスタイルなのですが、広告購入でキーワード完全一致が一番上位に表示され、次にキーワード部分一致で表示されます。部分一致でもよりキーワード検索結果に近いものが上位に表示されます。CPC広告はクリック課金型広告なので、上記のいずれにも当てはまらない場合に表示されます。つまり、CPC広告はかなりニッチなキーワードで設定すればクリック率も高く、転換にもつながる広告だと言えるでしょう。

ただし、CPC広告はPC・スマホどちらに広告を出すか、どれだけのキーワードを盛り込むかなど様々なテクニックを駆使しなければあっという間に予算を消化してしまい、広告費以下の売上しか出なかったという結果に終わってしまいます。CPC広告に関してはまた別の記事でご紹介いたします。

では別のキーワードでPC・スマホ双方を検索してみましょう。まずはPCから。

PCからSO-01G手帳で検索

以下はスマホです。

スマホからSO-01G手帳で検索

2つとも、「SO-01G 手帳」というキーワードで手帳型ケースを探そうと検索をしてみました。PCには広告が表示されていますが、スマホには表示されていませんね。キーワード広告でPC向けは購入したが、スマホ向けは購入していなかったのかもしれません。キーワード広告や、CPC広告を買いたいという場合はこのように必ず競合を意識しながら、また自分のストアにどういうキーワードで流入したお客様が購入に結びついたかまでしっかりと考えておきたいところです。

完全一致キーワードはピンポイント戦略になりますが、価格は安く。部分一致キーワードは幅広く拾える可能性はありますが価格が高い、という双方それなりのメリット・デメリットが出てきます。このあたりもしっかりとした分析が必要になってきます。

イベント広告を上手く使う

イベント広告というのは、楽天で言えばお買い物マラソンやスーパーセールなどの大型イベントで売りだされるひと枠3万〜5万程度の広告です。短日のみの掲載や、イベント期間中掲載、時間帯掲載など様々な種類がありどれを選べばよいか全くわからない、ということも多いでしょう。このような広告を買う場合は、ECコンサルなどに直接「直近イベントで、どれだけUUがあたっているか、CPC単価を教えて下さい」と聞くのが実は最も手っ取り早いです。

UUの当たらない広告は無価値ですし、CPC単価が高過ぎる広告も同様に無価値です。CPC単価とは、3万円の広告で300クリックあれば1クリック単価が100円ということになりますね。楽天のCPC広告でいえばキーワード指定なしのCPCキャンペーンで1クリック50円ですから、イベント広告も1クリック単価が50円以下、で購入していきたいところです。

楽天でもDeNAでも同じですが、広告に関しては聞かなければ情報は出てきません。特に1ヶ月常設するような広告ではない場合は、広告掲載が終わったら直ぐに結果を調べて次につなげていきたいものです。充足率が低い時の広告が効いているのか、といったところも注意して情報収集しておきましょう。

戦略的に広告を打つ

PVだけを当てに行く

前に記事にも書いた楽天ランキングで上位を狙う方法で紹介した、予約の開放の日にPVだけを当てに広告を買うというのも効果的な手法です。予約開放で売上が上がったその日に同時にPVもあたるわけですから、ランキング上位をより一層取りに行きやすくなります。

DeNAでは通常検索(リスティング)の結果はPVと売上高・個数が影響していますから、新商品を出したタイミングで個別商品にしっかり広告を使えば大きな売上を作らなくとも検索結果の上位に表示されやすくなります。基本的にどのECサイトでも言えることですが、検索結果上位をしっかり意識していけば自ずと「使える広告」が見えてきます。

その日だけの売上を考える広告よりも次に繋がる広告、というのがPVを当てに行く広告だとも言えるでしょう。この時にもどの広告がどれだけの集客ができるかというのをしっかりリサーチしてから購入するような習慣付けをしていくとよいでしょう。楽天で言えば、ポッキリ枠や送料無料枠などの3万円広告を自社の戦略に合わせて当てていくことが一番手っ取り早く、広告の効果がわかりやすいとも言えます。

新商品の宣伝に一定期間まとめて打つ

何度も検索結果に表示させて、見る人の気を引くために広告を打つ方法もオーソドックスな手法です。広告の流れの中で、見る人がどういうタイミングで購入するのか一例を以下に挙げてみます。

  1. 初めて商品の広告を目にする
  2. 二度見てなんとなく気になる
  3. 三度見て商品が知りたくなる
  4. 四度見て納得して購入する

かなり大さっぱではありますが、概ねこのような流れになります。初見で商品を買うお客様も確かに存在しますが、殆どの場合、他社との比較や価格面、商品の魅力などを吟味して購買行動へと結びついていくはずです。検索結果の中で同じ箇所で同じ広告を使っても意味は余りありません。イベント広告を使い、CPC広告を使用し、またイベント広告を打つ、など幅広く目にとまるような作戦を練っていきましょう。

メルマガも実は効果的です。DeNAではメルマガからの流入が非常に多く、楽天でもメルマガを開封してもらえさえすれば、最低でも5%程度は購入に結びつきます。読みやすく興味をひきやすいメルマガタイトル、メルマガをみることでお客様が享受できるメリットなどをしっかり訴求していくと広告との相乗効果が生まれやすいでしょう。

ポイント施策やクーポン施策と絡める

ポイントキャンペーンを行う

ポイントはほとんどのモールで使用期間が決められています。付与されたポイント失効期限を見据えて広告を売ってみましょう。失効日前、7日前からCPCやキーワード広告でお気に入りへの追加などを図っていきます。ポイント失効日2日前くらいからメルマガや、商品ページの中で「いついつからポイント5倍開始」のようにポイントキャンペーンの訴求を行っていきます。

ポイント失効当日などにポッキリ枠などの1日広告などを使い、PVをあてお気に入りリストに入ったお客様の獲得をしていきましょう。ポイントキャンペーンで誘導し、購買行動に結びついたお客様は次回もポイントを利用して購入する可能性が高くなります。楽天などではクーポンを発行できますから、こういったお客様に対し割引クーポンなどを配布するという手もあるでしょう。そうすれば次回は広告を使うことなく、クーポンの失効日とポイントの失効日を上手くかぶせてやればよいのです。

最後に

広告だけを使っても意味は無い

長々と書いてきましたが、ここまでお読みいただくと分かる通り広告は広告だけで運用しても全く意味はありません。広告を、自社の戦略とどう絡めていくか。商品ページを広告に合わせて作り変えたり、通常商品に広告を充てるのではなく広告のためだけにコピー商品を出品してみたり。またはレビューを取りに行くためだけに広告用商品を作ったり、様々な取り組みが大切です。

広告をどのように自社戦略に組み込むか、これを考えて広告を購入できない限りは「売上の上がり下がり」で反射的に広告を買ってしまうはめになりかねません。広告だけで売上をあげる、という考え方をきっぱり捨てて戦略の中で「広告」を使いましょう。間違っても広告に使われてしまわないようにしたいですね。