2015.2.12
ECサイト、というと大きく分けるとモール型・自社サイト型に分かれてきますね。ここでは両方に共通するECサイトについて抑えておきたいポイントを5つに分けてご紹介していきます。これからECサイト運営を始める方や、既に始めているけど行き詰まってしまった方もぜひ一度目を通してみてください。
モール型ECサイト、というのは例えばあなたが実店舗を運営していて「イオンモール内に出すのか」「駅近くの商店街に出すのか」「百貨店に出すのか」のような違いだと思ってください。集客の高いモールに出店するほうが当然訪問してくれるお客様は増えます。しかし、扱う商品が個性的で、商品を買う人自体もこだわりをもって探す、という場合にはモールで出店しないという選択肢ももちろんあります。
モール型ECサイトで、現在大きいのはご存知Amazon、楽天、Yahoo!になってくるでしょうか。他にもDeNAやそれに付随するauショッピングモールや、家電量販店のヤマダ電機が行っているヤマダモール、他にもポンパレなど色々なストアが存在しています。モール型ECサイトは前述のとおり集客が一番重要なポイントとなってきますから、複数店舗運営出来る余力があれば、楽天+AmazonなどのEC運営を行えばより一層収益化が可能です。
楽天はユーザー数も多く、出店しているストア数でも日本有数のECモールとなっています。Yahooは最近ストア出店料が0円になったこともあり、多くの出店者がどんどん参入してきているのでノウハウなしにYahoo!に突っ込むのはやや危険かなという感じですね。
DeNAはauショッピングモールを抱えていることもあり、ユーザー層はやや若め。トレンドに左右されやすい商材は大手ストアでも売上の浮き沈みが激しいことでも知られています。ただ、楽天と大きく違いユーザーレビューに重きを置いていないリスティング形式なので、PV・販売個数・販売価格総計が目立って上がればレビューのない商品でも一気に検索上位、ということも可能です。
ポンパレは運営元が力を入れ始めていることもあり、ポイントバラマキ効果が出ているようですね。商材によっては今が投入時ともいえますが、運営大元がポンパレ自体をマネタイズできているかどうかは現時点では未知数です。
Amazonに関してはJANコード、GS1事業者コードが必要(申請でいらない場合もあります)になってくるので、型番商品ではない商材を取り扱う場合にはJANコードを払い出しし、管理する手間がかかってきます。また、配送やお客様お問い合わせのリードタイムがきっちり明確に定められているので、他のECモール以上に迅速なお客様対応が求められるところです。
大手を紹介するだけでこれだけになってしまうわけですから、小規模なモールや自社ECサイト構築+ECモールというような形態のものはとても今回だけでは説明できそうにありませんので、細かいECモールごとの特長はまた後日ご説明いたします。
ものすごく手間のかかる出店形式になりますが、自社ECサイトを持つことで様々な利点もあります。例えば、CMSツールを導入することでECサイト自体をメディア化できることや、自社のブランディングがモール型ECサイトよりも圧倒的に強いという面がありますね。ECモール型と違い、制約も少ないので様々な系列ブログやサイトへのリンクもできるのでSEO効果も高くなります。
しかしながら、ECモールと違いすべてを自社で管理するため労力のかかり方が全く異なってきます。また、訪問者をどのように獲得するかにも頭を悩ませなければなりません。自社でECサイトを作るということは、大草原の真ん中にビルを建てるようなものです。お客様が訪問してくる道をつくることが最初の課題となってくるでしょう。
他にはECサイト構築サービスを使う、という手法もあります。この場合、システムやサーバーをすべて月払いで借りて運営することになりますからスタートダッシュは自社ECサイトとはいえ早めです。また、顧客管理システムなども同時に連動させることが多いのでカード決済や発送までがワンストップで提供されることもメリットの一つといえるでしょう。
また、ECサイト構築サービスを使うとサービス元が提携しているモールへの出店が可能になる場合もありますから、完全に自社運営のECモールを持つよりは集客が早いという特長もあります。しかしながら、この場合でもお客様が来る「道」はできていますがこの道を「舗装」する必要があります。
もっとも簡単なものは、型番商品を扱うことです。所謂どこでも売れる、誰でも扱える、すでにある既存の商品だというイメージで考えてください。既にその商品をほしいと思っているお客様が居て、それを提供する。非常にわかりやすい商材です。型番商品の場合は、仕入れだけがしっかり構築できれば良いわけですが、取り扱う業者も多くなるため価格競争が早い段階で起こってきます。この価格競争をどういう手法で乗り切るかを常に考えて置かなければなりません。
自社開発や共同開発で、オリジナリティある商品を取り扱う方法です。この場合は資本力や開発力など、様々な力が試されます。また、苦労して作ったものがお客様の欲しいものではないかもしれません。オリジナル商品とはいえ、少ない資本で開発できるものや、ヒット商品の良さを真似ることで生まれるオリジナル商品ももちろんあります。お客様のココロを掴む商品が開発できれば、価格競争に巻き込まれにくく安定した需要を生み出すこともできるはずです。
元も子もありませんが、型番からオジリナルまで際限なくなんでも扱う、という形態ですね。もっとも失敗が少なく、利益の上がる商品はオリジナルで、というような戦略も打てますからほとんどのECモールでは勝つための最も正しい選択ともいえるはずです。ただし、この場合は商品ジャンルを混ぜてしまうと非常にわかりにくいモールに仕上がりがちです。モールとしての進むべき道筋がしっかりしていないと、ただごちゃごちゃしただけ。という結果になりやすく、型番商品とオリジナル商品どちらも中途半端になってしまう可能性も出てきます。
競合が少ない商材を扱うのは、全てが間違いだとは言いませんがまずは大きな市場で戦うことが懸命です。小さな市場を独占したとしても、そこに自社よりも強い競合が入ってきたらどうでしょう。10の市場を8も奪われたらまさに死活問題となってきます。10000の市場の20を取りに行くぞ、という感覚で戦い始めれば大きな失敗は起きないはずです。
トレンドってわからないよ!という方も多いと思いますが、モールの特長をしっかり把握しておけばこれから売れるトレンドはわかります。例えば最近やたらと楽天ランキング上位に食い込んでいた「自撮り棒」ですが、某ECモールではその当時一切流行っておらず全く売れていなかったそうです。実に楽天で流行ってから遅れること3ヶ月。そのECモールでも爆発的に売れるようになり、現在でもリスティング上位を占めています。
この例からも分かる通り、複数のモールを観察しておくことで「トレンドの遅れ」を掴めばうまく波に乗れるビジネスが期待できるわけです。トレンドを掴むには、取り扱う商材にもよりますが、ニュースサイトやTwitterなどのSNSをしっかり活用していきたいところですね。
大きなトレンドを生む商材は、やはり大きなECモールです。
価格競争からはまず逃げましょう、といっても値下げを絶対にするなということではありません。実質的なおトクさをしっかり訴求していくことがECモールで生き残っていくには必要不可欠です。送料無料や、早い納期、素早いお客様対応、手書きメッセージ。など考えられることはたくさんあるはずです。しかしながら、実際にECサイトを運営していくと忘れがちなポイントでもあります。
お客様満足度の向上は価格以上の価値を生みます。これは忘れてはいけません。
型番商品を扱う場合もっとも重要なポイントになってきます。売れている商品をより伸ばす、これが売上アップの必勝法だとも言えます。売れている商品がなぜ売れているのか。自社だけで分析すると必ず失敗します。お客様の声こそが真の売れている理由ということを頭に置いておきましょう。商品レビューや、アンケート等からお客様の声を直接聞くことが大切です。
送料なのか、価格自体なのか、配送が早いのか、それとも商品自体が良かったのか。正確に分析すればするほど、他社に負けない商品へと育ち、それが企業価値にもつながってきます。売りたい商品を売る前に、売れる商品の分析をしっかり行いましょう。
楽天やDeNAなどのECモールでは、広告の営業が非常に多いのは御存知の通りだと思います。相手側のECコンサルの言うがままに広告に予算を割くと大きな失敗を必ずします。適切で、的確な広告を利用する知恵を身につけておきましょう。広告についてはまた別の記事で掘り下げていきますので、その機会にご覧ください。
1回購入だけの、その場だけのお客様ではECサイト運営は徐々に尻すぼみになってしまいます。2回目に購入してくれるお客様は3回目の購入に繋がる可能性が高くなります。さらに言えば3回購入してくれたお客様は4回目の購入に繋がる可能性が更に高くなります。何度も何度もお客様に買っていただく仕組みづくりを早急に構築していくように心がけましょう。
世間一般常識で考えられる「やってはいけないこと」をやってはいけません。当然だと思うかもしれませんが、SNSがこれだけ流行った現代ではついうっかり、が致命傷になりかねません。商材に関してもグレーゾーンの商品は絶対に扱わない、という気持ちを持っておきたいところです。商品発送の遅延なども、しっかりとお客様とコミュニケーションをとりましょう。自動返信メールだけではお客様の意識とのすれ違いを感じることはできません。
お客様が何を求め、自分のストアから買ってくれたのか。お客様の期待値以上のものは型番商品ではまず取ることは難しいでしょう。そうなると結局はECサイトも「人によって運営されている」ということをしっかり伝えなければならないのです。見えないところの見える化、これが重要です。
ECサイト運営は決して甘くありません。確かに、トレンドを上手く捕まえ波に乗り夏場だけで500万の月商を水着だけで叩きだした新規ストアもあります。秋から冬までのわずか数ヶ月でコスプレ関連商品だけで1000万を稼いだストアもあります。しかしそれは、上辺だけの話でしかありません。それらのストアも、トレンドをチェックしお客様満足度向上のために納期を短くしたり、ユーザーレビューに意識を払ったり様々な努力をした結果なのです。
一つずつの積み重ねと、諦めないココロ。もはや精神論になってきてしまいましたが「やらなければいけないことをやる。そして他店舗がやっていないことをやる。お客様のためになることをやる。」これがECサイト運営には欠かせない気持ちであることは事実です。
次回記事では実際にどのようにECサイトを運営していくかも言及していきたいと思います。長文最後までお読みいただきありがとうございました。