2015.9.2
最近定期的に話題になる気がします、プログラミングを義務教育化すべき論。確かに現在の義務教育が役に立つかどうかは疑問視されるポイントです。受験用の詰め込み型の勉強多いですからね。かくいう私も勉強は全然できませんでした。某氏が「女の子に三角関数を教えて何になるのか」発言で炎上したりもしましたが、実際問題どうなのかちょっと考えていきましょう。
義務教育課での勉強、というのはそのほとんどが受験用になっているのでもっと社会に出てから有効なことを教えるべきだ。というのはよくわかります。Twitterで上手いことを言ってる人がいたのですが、義務教育での勉強は過去の人たちが
「これらは基本的だけど役に立つものがあるかも知れないからカタログ化して置いとくね、使えるか使えないかは各自で判断してね」
というものだと。一理あります。義務教育での勉強、特に小学校では読み書きが問題なく出来るように。そして今後の勉強の土台となる力を養うものであると私は考えています。基本的な読解力や、基礎的な計算は出来なければ勉強に差し支えますし、地理や理科も今後もしその分野を勉強するなら必須の基礎力になります。
問題なのは中学校以降です。
高校受験や大学受験のための「受験用の勉強」に終始してしまい何のために勉強するのかが生徒だけでなく、教師もよく分かってないのではないでしょうか。勉強は自分のためにするもので、何かを解決する解決力を養うものだと私は考えます。
とりあえず興味のないことまで受験で必要だから、という教育は必ず落ちこぼれを生みます。なぜなら勉強が「自分にとって必要ないから、社会に出ても役に立ちそうにないから」ということに生徒が気づいてしまうからでしょう。大学進学が「将来的に自分のためだからしんどくてもやるしかない」と思える子と、そうでない子を生んでしまうことが大きな問題です。
これを解決するために義務教育の中で実践的な勉強を教えるというのは有意義であると思います。プログラミングかどうかはおいておいて・・・。
おとなになってからの勉強は、すでにある知識に枝葉をつけていくやり方が最も効率が良いと言われています。新しい分野の勉強はコストが高く、ましてや今どきの社会人ではその時間すら取ることが難しいでしょう。(この枝葉をつけるために、義務教育課での勉強が役に立つとは当時の私に教えてやりたいです。)
高校時代にもっと数学の楽しさが理解でき、ちゃんと勉強していたら機械学習や、ディープラーニング、強化学習についての理解がもっと深まった気がしている今日このごろ。
大人がいくら言っても聞かない、想像できないのが一般的な子ども。なら自分で気づくようにしてやらないといけないわけです。
とまぁ、こういったことを全部考えた上で「プログラミングを義務教育にすべきだ」という話になるんだと思います。こういった前置きをあえて端折るから、誤解が生まれるのかもしれません。私はプログラミングを初等教育で教えるのは凄くいいことだと思うんですけどね。
例えば受験科目に選択制で入れてもいいかもしれません。今の詰め込み受験用義務教育を逆手に取れば、受験用に勉強する子どもが増え優秀なプログラマーがバンバン出てくるかもしれません。数学、英語、国語なんかは物凄く出来てもそれが仕事につながり金を生み出すのはまず難しいでしょう。
私はド文系で、数学は苦手。さらには三角関数なにそれ美味しいの?レベルです。プログラミングの中でよく使われる数式や、統計データを取得する際の数式すら見ているだけで頭が痛くなります。おとなになってからのプログラミングは学習コストが物凄く高いです。平行してやっていく必要が必ず出てくるわけです。数学的考え方、理解とそれをカタチにする国語力。当然英語で記述されますから最低限の英語力も必須です。
学習コストが低い、と言われているPythonですら「ド文系」が一から触ると難しく感じます。もっと私が頭が良ければよかったんですが、残念ながら義務教育時代にちゃんと基礎をやってないので今ツケが回ってきている感じですね。そもそも私の大学での専攻は社会福祉ですから。
私個人的見解としては、プログラミングを義務教育にというのは「羨ましい」です。ただし、私がまだ学生だったら「面倒くさい」と思ってしまうでしょう。何故プログラミングなのか、プログラミングを学習して何になるのかをわかりやすく説明し、そして学ぶ生徒たちが自分で「選択できる」ようなカタチで導入すると非常に良い結果が10年後見られるような気がするんですが。
自分でプログラミングできると言うのは物凄く羨ましいと思う今日このごろでした。