2015.2.18
楽天やDeNAなどモール型ECサイトにおいて、検索結果の上位にくるというのは非常に重要です。しかしながら、一般的なSEOとは異なる部分も多く本当にその方法で合っているのかどうか不安になりませんか。今回は現時点で明確に明らかになっている上位表示のための要素を実例を挙げてご紹介していきます。すぐに出来る対策から、3ヶ月程度の我慢が必要な対策まで様々ありますが、日々の積み重ねが大事であることは言うまでもありません。
楽天では御存知の通りレビューが非常に重要です。レビューの数が増えれば増えるほど安定的な順位が獲得出来る仕組みになっています。しかしながら、レビューの数と、レビューの点数は非常に密接な関係があります。例えばレビューの総数が500、レビューの点数が4.18の商品よりも、レビューの総数が100、レビューの点数が4.78の商品のほうが上位表示される可能性が高くなっています。
レビューは質を大切にする、特にレビューの総数が少ない新規商品の場合はレビューの点数★5をいつまで維持できるかが勝負だと行っても過言ではありません。極端なことを言うとレビューの数が5つしかなくても、レビュー評価が★5であればキーワードと絡めて上手くやればレビュー総数100を超える商品にも勝つことが可能です。モール型SEOならではの特長ですね。
新規出品の商品ほど神経質になるべきです。
楽天と違い、DeNAのBiddersやauショッピングモールは「売上が高い」商品が上位に来やすくなっています。この売上が高い、というのは商品単価が高いほど効果を発揮します。またモールの特長でレビュー自体はあまり順位に影響していませんので、商品が売れ続けている、ということだけを意識しても検索上位を取り続ける事が可能です。
しかしながら過去のレビューという財産がほとんど効果を発揮しないので、ヒットを飛ばさないと検索結果の上位に上がってこないとも言い換えることが出来ます。これも裏を返せば新規店舗であってもヒット商品を生めば上位店舗をひっくり返す下克上が起こりやすいとも言えるでしょう。
まずは売上個数と売上高。DeNAの特長といえるでしょう。
キーワードをどう盛り込むかというのは頭を悩ませる問題です。ビッグキーワードを詰め込んでも効果は期待できません。例えば「靴がほしいなぁ」と漠然と考えている人が検索する場合と、「NIKEのゴルフシューズがほしい」という人とでは検索するキーワード自体が違いますよね。
漠然としたイメージしかない人は「NIKE シューズ」と検索するかもしれませんが、欲しいものが明確になっている人は「NIKE ゴルフシューズ」などと検索するのではないでしょうか。もっと言えば靴のモデルや型番まで打ち込むかもしれません。
キーワードの盛り込み方としては、以下の様なやり方がよいでしょう。
商品管理番号はURLにもなりますから、キーワードとして検索されたい文字列を組み込みましょう。p−001のような管理番号は最悪です。必ず商品と関連付けが出来るコードにしておきましょう。
商品名には検索されたいキーワード、検索する人が「検索するだろう」と予測されるキーワードを入れましょう。共起語を入れてみるのもひとつの手法です。靴であればサイズ、型番、メーカー名、靴のモデル名などをしっかり入れるのは当然ながら読み替え出来る文字列も挿入しておくとよいでしょう。
PCキャッチコピーは商品名で説明できなかったことを補足的に入れるとよいでしょう。在庫ありだとか、あす楽対応など自店舗の売りも必ず入れておきましょう。商品名は長すぎてもいけませんが、現時点では文字数いっぱいに使い切るほうが効果的です。Googleなどの検索エンジンのSEOと違い、モール型SEOでは商品タイトルの詰め込みは現時点では有効です。同一キーワードの乱発以外はやって損はない箇所になっています。
ただし、読みにくい・わかりにくいといったことになると「転換率の下落」にもつながります。ほどよい落とし所をしっかり研究しておくことが重要です。
DeNAのBiddersやauショッピングモールでは売上以外にもPV,UUが検索順位を左右します。このため、売れた商品にはリスティング広告をあて更にPVを稼ぎ安定的順位を取るといった広告手法も有効です。検索順位を維持するために広告を打つという、楽天ではちょっと考えられない戦略が有効なのです。
PVやUUを積極的に当てていくには、ストアの特集ページやトップページの作り方も重要です。もっとも訪問者が見ているページにしっかり商品を表示させ、目立つ商品写真を使い誘導しましょう。購入に結びつかなかったとしてもPV,UUのポイントがしっかりたまります。
モール型SEOでは「訪問者」も重要な要素になっているわけです。
楽天ではカテゴリー一致も重要です。訪問者が検索で深い階層まで下がれば下がるほど、カテゴリーIDの登録は重要度を増してきます。面倒くさいからといって放置していませんか?今直ぐにでもきっちり設定をしておきましょう。
前述のとおり、レビューは質です。レビューの総数は少なくてもレビューの評価が良ければ検索順位は上位に来ます。圧倒的なレビュー数を目指すよりも、お客様満足度でのレビュー評価をしっかりとっていきましょう。商品の質はもちろんのこと、お客様は発送のはやさや、店舗のお客様対応、メールでの連絡の迅速さ、梱包に無駄はないか簡素すぎないかなど多岐にわたる「商品以外」のことも重要視しています。
お客様満足度をしっかり上げ、レビューの質を高める。これこそが順位向上にもつながり、お客様満足度も高まり、結果的に売上を押し上げる要因になるのです。レビューは数より質!大事なので二度言いました。
商品タイトルの付け方はさらっと説明をいたしましたが、今ある商品もタイトル付けを見なおしてみましょう。単純に検索上位を目指すだけであれば「わかりやすさよりもキーワード」なのですが、お客様目線で考えたり「転換率」を気にしだすと分かりやすいタイトルも重要な項目だと頭を悩ませる事になります。
Yahoo!ストアと違い、装飾文字にペナルティがあまりない楽天では【商品名】のように華飾してわかりやすくすることも可能でしょう。ただし、今後華飾はNGになる可能性もあるので派手にならないよう考えながら「商品名とキャッチコピー、キーワードがひと目で判断できるようにしておく」ことを頭においておきましょう。
DeNAの場合はPVが重要と書きましたが、検索結果の上位に来ているものだけに積極的に広告を使うという手法もあります。DeNAではラッキーセールなど1回1万円で参加できるセールなどもありますので、セールのタイミングでリスティング広告で商品にPVを集約するか、特集ページに誘導するなど広告を次の一手に使えるように段取りをしましょう。
商品価格の見直しも重要なポイントです。楽天では売れ始めた商品はランキングに入る可能性が出てきます。このとき商品単価が1円でも高いほうが評価は高くなります。これはDeNAでも言えることですが、価格の安い商品よりも少し高い商品が検索結果には高評価となります。自店舗で安すぎる商品はありませんか。以前記事にもした転換率との関係をよく考えながら商品価格を調整しましょう。
どうしても商品価格調整が難しい、という場合は送料込みの価格に変更して見た目の価格を変更するという手もありますが余計な送料の上乗せや送料分の大きめの価格アップというのはいきなりやるのは危険だということも忘れずに置きたいところです。
売上個数の把握は必須です。楽天であれば店舗カルテなどから、DeNAであればEC担当に聞くことで同一ジャンルで売れている商品が1ヶ月の総売上高・売上個数まで教えてくれるはずです。他社の売れ筋・検索上位の商品の総売上などをしっかりチェックし自店舗の商品に反映させていきましょう。
検索結果は楽天であればレビュー、DeNAであれば売れ続けること。これが重要なのですが、継続的にPVを当て続けるということも大事なことです。ランキングの要因でもありますし、検索下位の商品が急にPVがあたった時に順位が逆転する現象も起こります。現在の順位を維持するためにはしっかり訴求すること、これを忘れてはいけません。
広告予算をたくさん使える、広告費が売上と同じならいい。というようなバブリーな店舗さまはいいのですが、そうではなく広告予算はできるだけ少なくしたいということがほとんどでしょう。言い方は極端なのですが、広告というのはモールのセールやイベントの時に使う「モール全体が盛り上がっているときにおこぼれを貰いに行く広告」と、モールの企画がないときに使う「次のつながる広告」の2つだと考えてみましょう。
そうなると次に繋がる広告というのは「セールやイベントの時に売上を一気に伸ばしたい商品」になってくるのではないでしょうか。限られた広告予算を使うのであれば、いろいろな商品に広告を使うのではなく、特定商品を何度も訴求し続ける広告が効果的なのではないでしょうか。
何度も同じ商品を訴求するということはPVやUUを当て続けることにもなりますね。
くどいようですが非常に大事なので何度も言います。レビューは量より質です。レビュー1000を無理に取りに行ったがための評価4.38よりも、レビュー50を堅実に取りに行った評価★5が一番勝ちがあります。あなたのストアから買ってくれたお客様は一期一会かもしれません、だからこそ最高のサービスで最高の商品を提供しなければならないのです。
検索エンジンのSEOとは違い、モール型SEOはモールごとの特長が顕著に現れます。どういったアルゴリズムかというのは、一部要因はカンファレンスなどの大きなイベントで発表されることもあります。日々の情報収集のなかでEC担当から聞き出せる、引き出せる情報はじつは多いのです。店舗側の知識の無さが、不利になっているとも言えます。
モール型SEOは裏を返せば「検索結果の作為的な調整」も可能です。しかし、それはお客様のためにもなりませんし最終的には店舗のペナルティとして跳ね返るかもしれません。あくどいやり方を勧めるECコンサル会社もあるかもしれません。裏ワザにたよるのではなく、お客様満足度から生まれる評価の高いレビューをまずは目指しましょう。
DeNAなど、レビューが直接的要因とならないモールでもお客様満足度が高い商品は「売れ続けます」。似た商品や安い商品があっても不思議と売れ続けるのです。
今回は写真や図が少なく文字ばかりになってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。