そろそろ本当のSEOの話をしよう

2015.6.14

th_GD131あまり聞いてもお茶を濁されるSEOに関する嘘・ホント。今回は検索エンジンが順位を決定する要素とSEOに関する噂が本当なのかどうかを解説していきます。また、SEOが最も効果を発揮する方法についても言及します。現時点2015年6月現在のものですから、今後古くなったり使えなくなる可能性があるもの、今後もしかしたら重み付けが変わってくるものも合わせてまとめてみます。久々にちょっと長めです。まずは当社の失敗談からお読みください。

SEOは一日にして成らず

SEOは一朝一夕にできるものではありません。今は内部構造を重点的に対策することが大切です。外部リンクなどを活用したSEOで順位だけ上げてどうするのでしょう。コンテンツの内容が薄ければ全く意味がありません。サイトの質と量を徹底的に増やす。純粋にサイトに力がつき、それを検索エンジンが評価し、上位になる。これが理想です。

上げたいのは順位ですか?アクセスですか?売上ですか?

やればやっただけ結果はついてきますが、サイト設計の段階から考えておくべきことがいっぱいあるというのはご理解いただけたと思います。直ぐやる、今やる、継続的にやる。これは絶対に今後も変わらないSEOの、コンテンツ制作の真理だと言い切ります。

SEOはコンテンツ制作とは切っても切れない関係です。ただ順位をあげるだけならなんとでもなるでしょう。しかし、SEOで本来の目的はより良いコンテンツを検索ユーザに提供することに有ります。コンテンツの質を高め、訪問ユーザーにアクションを起こしてもらうことが出来なければただのSEOです。いつまでただのSEOに執着しますか。

9年前、当社も検索上位だけを念頭に置いたSEOをやっていました。しかし、実際はアクセス数が上がっただけでコンバージョンには結びつかなかったのです。サイトの設計、コンテンツの充実をすっかり切り離して考えていたんですね。アクセス数は飛躍的に伸びました。対策前は月間3000PVほどのサイトが月間5万PVへと成長しました。しかし、コンバージョン率は上がらなかったのです。

そればかりか他の入り口になるべきページからの流入が減り、CTRも悪化したのです。

失敗でした。確実に失敗でした。

この反省を踏まえ、ただ1ページだけが上位であればいいわけではないと考え徹底的に下層ページに手を入れ、コンテンツの質を充実させ、検索結果のタイトルとディスクリプションを徹底的に書き換えました。その結果、順位はそのままで他のページの順位も上がり、CTRが倍増、コンバージョン率も3%以上改善が見られたのです。

これからお話するのはSEOの基本です。しかし、コンテンツの充実と切り離して考えず必ずサイトを成長させながらSEOを行うようにしていきましょう。

検索エンジンが順位を決める要素

外部環境

検索エンジンは順位を決めるにあたって様々なアルゴリズムでサイトを評価しています。その評価の一つとして外部要因というものがあります。これは既にみなさん御存知の通り被リンクであったり、ブックマークであったり、ネットで展開するメディアだったりします。外的要因はSEOの歴史の中で二転三転してきましたが、未だに大きな意味で「被リンク」というのは対策しなければならない項目です。

現時点で抜群に効果のある被リンク、というものは実は存在しません。過去、権威あるサイトやページランクの高いサイトからのリンクは有効でしたが今となってはプラスアルファの要因でしかありません。リンクファームやリンク集からのリンクは逆効果になることもあります。

ウェブマスターツールで「不要と思われる被リンクを削除する」だけで順位が上がったという嘘みたいな本当の話もあるので、今一度被リンク状況の見直しをしてみるとよいでしょう。Googleウェブマスターツールから直ぐに確認できます。

被リンクの有効活用の一つとして、「同業他社同士のリンク」は効果が見られます。この場合はリンクジュースなどはあまり気にせずともよく nofollow 属性の設定もいらないものと考えられます。

内的要因

近年になって重要度が急速に増しているのが内的要因です。そもそもコンテンツの中身が薄いサイトが上位に来ること自体がおかしいわけで、この内的要因がプラスに働くというのは良い記事を書こう、良いコンテンツを作ろうと努力してきた運営者にとっては朗報でしょう。内的要因が検索順位に及ぼす影響は今後弱まることはまずないでしょう。

内的要因としてはまずページ数、ページに含まれるテキスト数、そのテキストの質、テーマの一貫性、サイトの成長性、ドメインエイジなどが挙げられます。他にもページの表示速度やページ内の内部リンク構造も絶対に欠かせないポイントとなっています。

ドメインエイジも重要度が増しています。同じ対策を行ったサイトであればドメインエイジが古いほうがやはり有利となります。しかしながら、放置していたドメインでは意味がありません。今まで活用され更新されていたものでなければ古いだけで価値はありません。

ここでふと思い浮かべてしまうのが「中古ドメイン買えばいいのでは?」というものなのですが、そのドメインがどういった使われ方をしていたか、未だに悪い被リンクが残っているのではないか、など考慮すべき点が多いですからよく注意しておきたいですね。最悪の場合「現在ペナルティを受けている」「過去にペナルティを何度も受けている」といったドメインである可能性もあるわけです。

検索結果上位にするために必要なこと

インデックス数を増やそう

Googleにインデックスされるページ数を増やす。これが一番最初に取り組める項目です。ページを量産し、それらを確実にGoogleのクローラーが閲覧し、インデックスされる。この情報もGoogleウェブマスターツールで確認が可能です。現在自分のサイトが何ページ存在しているか、そのうち何ページがインデックスされているかを把握しておきましょう。

更新が早いサイトはクローラーが来る頻度も高まります。ブログを導入している、サイトからのお知らせを表示しているといった場合は最低3ヶ月毎日更新をしましょう。1日1記事で20日かけば20記事。3ヶ月で60記事。60ページが量産でき、それらすべてがインデックスされれば必ず効果は現れるに決まっています。毎日の積み重ねがインデックス数を増やします。

サイトマップの送信も効果的です。Wordpressであれば自動生成できますから、インデックスされていなページがあればサイトマップを更新してウェブマスターツールから送信しておきましょう。

1ページ1テーマを厳守しよう

記事を書き始めると様々なことを盛り込みたくなります。しかしここはグッと我慢をして1ページ1テーマを貫きましょう。最も効果が出るのは1ドメイン1テーマ。1コンテンツ1テーマです。サブドメインの運用などで実現すると効果的ですが、ブログをメインコンテンツとする場合はこの部分は「質と量」でカバーできます。

1ページに含まれるテキスト数は最低でも1000文字。可能であれば2000文字を目安に書いていきたいところです。これも共起語を用いたライティングをすることで意外とテキスト量を増やすことは簡単です。テキスト量はなるべく多め、それが今時点では効果てきめんです。Webサイト自体のボリュームで言えば100ページ、100インデックス。ここまでやれば後は地道な戦略を重ねれば良いでしょう。

SEOではキーワード選びからすべてを始める

キーワード選定からコンテンツを構築する

これはクセにするしかありませんが、キーワードを意識してページ・コンテンツを構築することが近道です。最初から複合ワードでの検索をターゲットとするならばGoogleキーワードプランナーを活用して検索ボリュームを調べておくとよいでしょう。検索ボリュームの少ない記事を量産してもPVは伸びませんし、コンバージョンにも結びつきにくいものです。

キーワードというのは大きく分けると3つに分類されます。

  1. 情報系キーワード
  2. アクションキーワード
  3. 固有名詞キーワード

それぞれのキーワードがサイト戦略の上でどのようになるかを少し解説しましょう。

情報系キーワード

情報系キーワードとは主に検索者が「情報収集」するために活用するワードです。情報系サイトなどではこのキーワードが重要ですが、ECサイトになると購買や資料請求などのアクションに繋がりにくいため、ここに注力すると頑張ったのに効果が出ない。ということになってしまいます。情報系キーワードは主に1ワードからなるビッグキーワードの場合が多いですね。

例:車, ラーメン, 資格 など 

アクションキーワード

サイトから売上をあげたいという場合は、ほぼこのキーワードを選ぶことになるでしょう。購買や資料請求など、検索ユーザーが何かしらアクションを起こそうと思った時に検索で用いられるキーワードです。会員登録などユーザーのアクションをキーとしますから、複合語でのキーワードだと考えておくとよいでしょう。この場合は検索結果に自分の探しているものが見つかるまで最低2回はキーワードを変更して検索すると言われています。

考えられる共起語と合わせて対策することで効果が発揮しやすいでしょう。

例:夏物 通販, サンダル 送料無料, 資格 オフィススペシャリスト など

固有名詞キーワード

ほぼ想定することは無いといえるキーワードです。企業名や固有名詞だけをターゲットとした検索になりますから、コンバージョンには結びつきにくく、検索ボリュームも少なめです。このキーワードで検索をする場合は「常に上位にある自分が探しているものとひと目で一致した結果」以外はクリックされない可能性が高いワードです。

検索結果の順位が及ぼす影響

1ページ目でほとんどが離脱する

検索結果上位10位、どれだけのトラフィックを持って行っていると思いますか?検索結果1位がトラフィックの32%を、2位が18%を、3位が12%を持っていきます。4位ともなれば8%、5位であれば6%、6位であれば4%です。検索ボリュームが月間1000しか無いキーワードであれば6位以内に入っていても40UUしか流入が無いことになりますよね。

では絶対検索上位にいなければ戦えないのか?と思いがちですがそうではありません。複合キーワードで探す人は最低2回は検索をやりなおします。また、2ページ目以降を熱心に探すユーザーもいます。

40UUでコンバージョンが1%よりも、4UUでコンバージョン50%を目指すサイト作りをすればよいのです。これは検索結果をよく考えてコンテンツを制作するということにもつながります。検索結果に出るタイトルとディスクリプションを入念に練ることが大切です。GoogleウェブマスターツールでCTRをよく確認しましょう。表示回数が多いのにクリックされていない場合は検索結果に表示されているものが、検索ユーザーにとって魅力的ではない、ということなのです。

SEOの噂、嘘ホント?

キーワードはできるだけ入れたほうがいい

これはやり過ぎ厳禁、とだけ言いたいところです。重要な箇所に適切に配置することが最も大切です。文章構成として不自然なキーワードの挿入をしないということを心がけていれば、文章の中で自然とキーワードを使うことが出てくるでしょう。キーワード出現頻度に関しても同様です。現在はあまり気にしなくても構いません。4%とか5%とか言われていた時代は「古い」です。

ただし、キーワードを一度しか使わない。というのもやや問題です。せめてタイトルと、まとめくらいにはキーワードを盛り込んでおきたいですね。また、文章の書き始めにキーワードを書くというのは有効です。検索エンジンのアルゴリズムは英語圏ですから、結論から書くクセを付けておくとSEOにもよいですし、コンテンツを読む人のためにもなります。

日本語ドメインは強い

嘘です。ユーザーの目に止まりやすいということはありますが現時点で強くはありません。むしろ逆効果になることも有りますから下手に日本語ドメインを活用することは辞めたほうがよいでしょう。ブランディングの中で「名前がもっとも重要だ」という場合はマーケティングの一環として活用することはあるでしょう。

被リンクは大量にあればいい

なんでもかんでも被リンクを増やす時代は終わりました。厳選したものだけにしましょう。それよりも重要なのは自分のサイトから外に漏れるリンクです。リンクには nofollow 属性をしっかり入れておきましょう。あなたのリンクするサイトがあなたと同じようなレベルのサイトであればよいのですが、あなたのサイトよりも質が落ちる場合は損して得なしです。

サイトの階層は浅い方がいい

本当です。2階層くらいがベスト。とはよく言われています。 www.example.com/blog/ ~ という感じですね。ブログの場合どうしてもカテゴリーがありますから3階層にはなってしまうのですが、その場合はサイト内リンクを張り巡らせることで、目的まで2クリックで到達できるように設計しておくと効果が出るはずです。

5階層以上あるサイト構造は今直ぐ見直すと、もしかすると今直ぐ効果が出るかもしれません。

メタタグ・ディスクリプションは変えた方がいい

大正解です。メタタグとディスクリプションは検索結果のデザインだと考えてみましょう。検索結果に表示された時魅力的なものになっていますか?表示回数が多いのにクリック率が低い場合はもう一度練りなおしてみましょう。逆に表示回数に対しCTRが高いのに、離脱率が高い場合はコンテンツの質と量がイマイチだということですね。

URLの正規化は考えない

絶対やりましょう。ウェブマスターツールがそう言っています。

<link rel="canonical" href="http://www.example.com">

たったこれだけです。やりましょう。

スマホ対応はやってない

ダメです。Googleの方針でモバイルフレンドリーは重要視されています。今後スマホ対応できていないサイトは順位が下る可能性が非常に大きいです。CSSの書き換えなどまずは出来るところから手をつけていきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。久々の5000文字超えの文字コンテンツですが、後から見直すとさほどボリューム満点という感じはしませんね。現在SEOにもとめられる基礎的な知識と実践のしかたをまとめたつもりです。皆様のより良いコンテンツ作りにお役に立てれば幸いです。